「アリビオン開設に向けて、まずするべきことは……所員の募集だな」



 「大々的に募集をかけて、面接を行うとしよう」

 

 

そうして面接が行われた、ある日のこと……。

 

 

コンッ コンッ(扉を叩く音)

 


 「はい、どうぞ」



 「失礼ですねー」



 「はぁっ!?」



 「あ、間違えました、つい癖で……」



 「失礼しますー」



 (なんだこの人は……)


 


 「で、ではまず、あなたの能力についてお聞かせください」



 「実演したほうが手っ取り早いですね、えいっ」



シュンッ!(人形生成)



 「こ……これは……!?」



 (生物を生み出す能力者か……!?)



 「断っておきますが、この人形は生き物ではないですよー」



 「そ、そうでしたか、わかりました」



 「では、行きますよー」



 「は? 行くとは?」



 「あなたに、私の上に立つ資格があるかどうか、試させていただきますねー」



 「ちょっ……!?」



 「うふふふふふ……行きなさい!」



 「のわぁっ!」

 

ドガッ! ゴスッ!



 (この人が生み出した人形が暴れている……このままでは、アリビオンが危ない!!)



 「ぬおぉぉっ!! させませんぞっ!!」

 

ジャキンッ!!(バリア生成)



 「バリアを作る能力ですか……ぬるいですねっ!」


 

ドカッ! バキッ! ゴスッ! ガンッ! ……


 


 「壊れない……私の攻撃を受けきるなんて……」



 「ぜはぁー……ぜはぁー……」



 「……認めません」



 「は?」



 「私の能力で倒せない人がいるなんて、認めませんからね!」



 「いつの間に、あなたが『認める側』になってるのですかな!?」



 「……まあ、こちらとしては、それほどの力があるのですから、あなたは充分に合格ですぞ」



 「当然ですよ」



 (なんという自信だ)



 「所長! なんですか、今の騒ぎは……!?」



 「おおリーナ副所長、紹介しましょう、こちらはたった今ここで所員になることが決まったエリーさんです」



 「副所長さんですかー、能力はなんですか?」



 「遠距離会話の能力ですが……」



 「…………」



 「はんっ」



 「相手にならないですねー」



 「所長!! なんですかこの無礼者は!! 私はこの人が所員になるなんて、納得いきません!!」



 「所長の決定に口出しするなんて、いつからあなたはそんなに偉くなったんですかー?」



 「あなたに言われたくありません!!」



 (こんな調子で、大丈夫なのだろうか……)


 

数日後……。



 「なんかこう、近距離攻撃も遠距離攻撃も徹底していて間合いの取りようがなく、
 傷ついても即座に回復してしまい、数を減らそうとしても光よりも速い速度で
 仲間をかばいに行く人がいるような、そういう強敵集団と戦ってみたいですねー」


 「なんですかその集団は……もしいたとすれば、とても強力な存在ですね」


 


 「二人とも、健康調査書に記入をお願いします」



 「はい、わかりました……所長、これは……!」



 「どういたしました、何か問題でもありましたか!?」



 「年齢に、体重まで書く欄があるじゃないですか!」



 「それはそうでしょう!」



 「失礼ですねー」



 「なんですと……では、私のもお見せしますから、それで公平ということで……」



 「そんなことで納得できるわけないじゃないですか」



 「そんなの、『自分のパンツの柄を教えるから、あなたの下着の色を教えてください』
 って言ってるようなものですよー、ハレンチですねー」


 「うっ、ぐ……!」



 「返す言葉も無い……申し訳ない……」



 「真面目に謝られるとは思いませんでした」



 「いじめがいのある所長ですねー」



 「いつの間に結託してるのですかな、あなた達は!?」


 


 (まったく……だが、この遠慮の無さが、信頼の証かもしれないですな……)

 

 

 

 

 


 「それにしても所長は、ジェゾさんと同じ歳のわりに、ジェゾさんよりずっと老けて見えますよねー」



 「あなたはもう少し慎んでください!」

 

 

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